息子のバイオリン、発表会直前なのに弓が壊れてしまった。

いつもお世話なっている工房に行こうと思ったら、いつのまにか閉店していた。
新たな工房を開拓せねばならない。
あぁ、工房難民。。。
アコースティック楽器をやると必ずついてくるメンテナンス。
ある程度のレベルになるとこの人でなければ!という職人さんへのこだわりも出てくるものだが、「ある程度」に辿り着かないレベルだとこれがなかなか難しい。
しかも弦楽器の世界はフルートよりなんとなく手厳しそうだ。。。
先日弦の仲間が現場でこんな話をしていた。
「腕はまずまずだけど人当たりの良い職人、めちゃくちゃ腕が良いけど辛辣な職人、どっちに行く?」と。
辛辣って?!なに??!!何が起きるの?!
バイオリンに関しては無知な私、そして下手くそな息子。前者に当たればラッキー、後者に当たったらもう悲劇。
先生に「オススメなところありますか?」と聞くと「いやぁ、みんな好みがあるからこちらからココってあまり勧めないんだけどね…」という前提で、先生が通ってらっしゃる工房を教えていただいた。
ホームページを見ると、名だたる演奏家が通う工房であった。
あぁ、無知な私がメ○カリ1万円で買ったバイオリンを引っ提げて行ける場所ではないじゃないか…。
数日悩んだ。
話は長くなったが、結局先生が紹介してくれた工房に、勇気を振り絞って行って来た。
職人さんにお釣りをいただくのは悪いかもしれないからすべてのお札、小銭を用意、予約の3分前に入店で失礼はないだろうか…あらゆる無作法を潰して行った。
到着すると想定外が待っていた。
玄関でまさかのスリッパへの履き替え!
小汚いスニーカにジーンズ、毛玉だらけの靴下で来てしまった。
昔レッスンにジーンズを履いて行ったら怒られた友人の話を突如思い出した…ヤバい、服装がそもそも無作法だった…
冷や汗をかきながら、蚊のなくような声で「失礼致します」と一礼、職人さんたちが黙々と作業をしている部屋へ。柔道部かよ。
と、そこへなんともにこやかな若い職人さんが登場。
聞かれてもいないのに、まずは無知なことをさらけ出し、楽器ケースを開ける。
「あぁ、これですねぇー、はいはい。あれ?弓2本あるんですね」
「あっ!!はいっ!!知り合いから譲っていただいたものでよく分からないんですが…」(知り合いどころか、どこからやってきたのかも分からない。)
「こちらの方が良い弓ですね!弾きやすいはずですよ。」
えー!めちゃめちゃ優しいやーん!
緊張の雪解け…
無知をさらけ出したのが功を奏したのか、毛替えをした後の松脂の初塗りまでして下さった。
結論、案ずるより産むが易し。
とても良い工房でした。
もう一生お世話になります。

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こう見えて…ってどう見えてるか知りませんが、いまだにスタバに入店することすら緊張するんです。。。てか、緊張するから入らない。トホホ。