鎌倉駅そばの抹茶マニア鎌倉の抹茶ソフト。
(本文とは一切関係ありません。)

8月2日、土曜日のクラスより発表会のお知らせを、生徒の皆様へ順次配布しています。

ウッカリお渡しし忘れることが毎年毎年ありますので、申し訳ございませんが「あれ?くれない」と思われた方はお声をかけてくださいますと有難いです。スミマセン。

毎年写真屋さんに入っていただいておりましたが、昨今の物価高、そしてカメラマンさん、また伴奏ピアニストともに今年は長時間拘束となることから予算捻出が難しく、今年から当方にて通しのビデオと各部最後に集合写真のみ簡単に撮影させていただく予定です。

会費を上げていいのでは、というご意見も多々いただきますが、大きな値上げはできるだけ避けたく、このような形に落ち着きました。
フルートを吹いている写真が全くない、というのも寂しいので、予算を貯めて今後は2年に1回ほどのペースでカメラマンさんにお願いできたらいいな、というイメージでおります。
ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

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これまでの人生で何回発表会というものを経験してきただろうか。
幼稚園時代から始めたピアノ、そして毎回具合が悪くなるほど嫌だった英会話教室の英語劇発表会。そしてフルート。

思い出すことは色々あるのだが。
音楽系の発表会の知らせを渡すと母が「えーっ!こんなすんの?!」と言って渋々とタンスからお金を用意していた…というのは割と鮮明に覚えている。

フルートが専門になってからは会費とは別に伴奏謝礼も発生し「こんなにお金がかかるとは思ってなかった」と、日頃の万単位のレッスン代も相まって、いつも口癖のようにブツブツ言っていた。

大学を卒業しても、自己研鑽のために発表会は先生が亡くなるまで毎年参加していた。
「会費が安いのが自慢」と言っていた先生。
仕事のない時代、本当に有り難かった。

音大卒というだけで、なんかお嬢様イメージを持たれることが多いが、私の場合全くもってそれはない。町工場の樹脂加工職人の三女。

そしてウチの旦那もしかり。
彼は18で田舎から出てきて、働きながら音楽を学ぶ「新聞奨学生」だった。いつの時代の話かと思うほど、苦労話は絶えない。
ビンボーすぎて先生が同情したのか、レッスン代を渡したら、そのお金で毎回ご飯に連れて行ってもらっていたらしい。
先生に恵まれた、といつも言っている彼の口癖は「音楽で社会貢献をするのが我々の役目。セレブ気取りな教室なんかになるなよ。」

…私自身がセレブとは何か分からないほどセレブでないので、目指してもそもそも無理であるが。

【おまけ】そんなダンナの社会貢献↓ちょっと古い記事ですが。

NHK交響楽団と取り組む「音楽教育」をとおした挑戦。文化芸術が地域社会に与える影響は?


そう、ちょっと長くなるが、許してほしい。
ふと思い出すことがある。

大学を卒業したばかりの頃だけど。
当時、我が家に習いに来る高校生の生徒がいた。

母子家庭と聞いていたその子は、月謝を滞納しがちだった。毎月月末になって持ってくるのだ。酷い時は翌々月になることもあった。
私とて当時は今よりうんと仕事はなく、お金はない。ある時さすがに…と思い、お母様に手紙を書いた。


すると次のレッスン時に「月謝は本人がアルバイトで捻出しています。用意できるまで待ってやってください。」と書かれたメモ切れを持ってきた。

封書でもなく1枚のメモ切れ。家庭の事情をなぜ私が呑まないといけないのか。本人が期日に払えないのであれば、親が建て替えるのが筋ではないか。全てに腹が立った。

モヤモヤと過ごして1週間。
その子は翌週のレッスンに一万円札を持ってきて「月謝です。お釣りください。」と言った。
正直、失礼すぎる、と思った。
「お釣りは用意がないから、どこかに行って崩してきて」と私は冷たく言ったと思う。

この事を私は生徒が帰るなり母にぶちまけた。
「そもそもフルートのレッスンなんて、そこまでして受けなきゃいけないもんじゃないでしょ?!どういう親なんだろう!」と。

すると母は私に怒り始めた。
「あんたは全く分かっていない。世の中には色んな家庭がある。一万円札を崩してこいと言ったということは、要らないものをその子は買わなきゃいけなかった。その大変さが分かるか?!」と。
「音楽をする人間なのに、人の心がわからないなんてこっちが恥ずかしい」とまで言われた。

その夜、何が正しいのか分からなくて一晩中布団の中で泣いた。

今でも強烈な思い出。
あれから20年あまり。私の考え方は「ボランティア」ではなく、「仕事」をする人間としてはやはり間違っていなかったと思うが、幼くして父親を亡くし母子家庭で育った母の言いたかったことはなんとなく理解できるし、忘れてはいけないこと、とも思う。


話は戻るが。そんな諸々の経験からか、やはり私が教室を主宰する立場になって思うのは、音楽を学ぶことが豊かな生活をしている人達だけに許されるものになってはいけない、ということ。楽器だって月謝だって、お金がかかかることは事実だが、余計な負担はできるだけ軽くしたい、ということだ。

そんなこんなで発表会費の大きな値上げも正当な理由がどうあれど、ちょっと勇気がない。
高くしても出る人は出るし、安くしても出ない人は出ない、ということも分かっている。
分かっているけども!だ。

大切なのは、良いホールで、そして実力以上のものを引き出してくれる腕の良いピアニストをつけること、そして本人はもちろん応援してくれている家族や友達が心地よく集中して楽しめる環境を作ること。
シンプルにこれだけだ。

皆さんそれぞれ、ご希望や理想もお持ちの中で色々とご負担をお掛けしますが、充実した1日になるよう全力でサポートしたいと思います。

20回目の発表会。私にとっても節目の会です。
どうぞご理解の程、宜しくお願い致します。

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