こどものフルートレッスン

横浜駅東口より徒歩2分フルート教室久保考世フルートスタジオ講師の久保です。

私の教室は、場所柄か大人の生徒さんが大半なのですが、最近は娘のおかげか、こどものレッスンの機会も増えました。

ピアノなどと違い、こどものフルートのレッスン…というのが、イメージのつかない親御さんも多いように思います。
必要以上にご不安をもたれたり、様々なご質問をいただきます。
今日は少しそれらに触れてみたいと思います。

※ご参考用に娘の「習いはじめから4年弱」までの超ダイジェスト動画を作ってみました。



こどものフルート、どんな楽器?

まずは未就学児のおチビちゃん。
金属製のフルートはちょっと早いかな?と思う子達にはフルートと同じシステムで音が出る、これらです。

ファイフ

ABS樹脂製であれば価格も缶ジュースを10本程度とお手頃なのが魅力。
水洗いもできますし、管理も簡単です。
キイが付いておらず、穴を直接指でふさぐ素朴な楽器です。

ピッコ

モーレンハウエル(Mollenhauer)というドイツのリコーダーメーカーが作っています。
お値段はゲームソフト2本分程度でしょうか?
木製なので上記のファイフより柔らかく良い音がします。
ただ販売店があまりないのが難点…

わが家の娘は5歳からこの笛、ピッコを始めました。2つに分解してケースにしまえるので、どこへでも持っていくことが出来、リュックにいつも入れてお出掛け先の公園やら、近所のオッチャンの花見の席で1曲披露したりしていました。

どちらも非常に手軽なのが魅力です。
(ちなみに大人が吹いても楽しいです!)

上からファイフ、ピッコ、幼児用フルート、U字型フルート

幼児用フルート

対象年齢3歳~とのこと。
小さな指のために、補助キーがついており、特殊なキーも省かれ軽量化されています。
このためフルートで言ういわゆる最低音、最高音の付近の音が出ませんが、初歩の段階ではあまり使う音ではないので問題はありません。

販売メーカーは日本のサンキョウフルート(モデル115)、台湾のメーカー、ジュピター(JFL700UD)です。

ファイフを飛ばしてこちらにしても良いと思いますが、数年で次にご紹介するU字型フルートへ買い換えることになることを考慮しなくてはなりません。
しかし「キラキラしたやつじゃなきゃイヤ!」というお子さんにはオススメです。

U字型フルート

普通のフルートの頭部(先端部分)のみがU字になっているフルートです。
小学校低学年くらいのお子さんにはこちらかな。
胴体~下は何も変わりませんので、成長したら頭部だけストレートのものに差し替えればOK。

販売しているメーカーは、ヤマハ(YFL212U ストレート頭部管付き)、パール(PF505U ストレート頭部管付きモデルも有)、サンキョウ(U字頭部管のみ 本体別売)、ジュピター(JFL700UE)です。

Q:何歳くらいから普通のフルート(ストレート管)が吹けますか?

A:うーん、何歳、というか身長130~140センチ位になったら、でしょうか?
年齢よりも体格でしょうか。

Q:こどもに何万円もする「フルート」を買い与えるのが不安です。

A:ええ、分かりますよ!大共感です!
落とすかも知れないし、もっと言えば途中で辞める!と言いかねないし。

ある程度のご年齢(小学校高学年~)ならしっかりしたものをご用意された方がいいかと思いますが、まだ低年齢のうちは中古なんかでも良いかも知れませんね。
我が家の息子(6歳)はヴァイオリンをやっていますが、破壊すること前提でメルカリ5000円で買った楽器を使っています。

ただ、販売されている楽器の中には「こんなの楽器じゃない!」と言いたくなる「フルート型のオブジェ」も「フルート」として販売されていたりしますので、ここは慎重になってください。
新品でも中古でも、決算する前にぜひ先生に見てもらってください。
またタンポが完全にふさがらない(穴をふさぐパッドが浮いているなど)症状がある場合も予想されるので、ぜひ習っている先生にご相談してみてください。

フルートを通して何を得るか

これは私が「子をもつ親」として期待しているところなのですが…

「フルート、そして音楽の楽しさを知って欲しい」ということはもちろんなのですが、それと同時に「フルートが吹けるようになる」という目標に至る過程にこそ大切なものがある、ということです。

フルートは他の楽器と違って、すぐに音が出ません。音作りから始まります。
先生の話を聞く、そして自分で考える、トライしてみる、失敗しても何度でも・・・
集中力も忍耐力も必要です。

これらは大きくなって急に身に付くものではありません。
小さいうちから、小さな小さなハードルを越えさせていくしかないのではないのでしょうか?

毎日コツコツ、1日5分でも、それも辛いときはケースを開けてフルートの顔を見てあげるだけでもいい。
ひとつのことを「まずはコツコツ続ける」姿勢は、他の事にも必ずや生きてくると確信しています。
毎日続けていたら出来なかった事が出来るようになる、この達成感。
そして逆にサボれば出来ないままどころか、出来ていたことも出来なくなる。
こんな結果に正直なものは、なかなかないです。

これは他の楽器でも、スポーツでも、何だって良いと思うのですが、やはりフルート吹きの私としては、それがフルートであったらめちゃくちゃ嬉しいのです。

そして最後に、親御さんにお願いしたいことなのですが。

チャレンジしているお子さんのそばで、練習に付き合わなくて構いません、ただ「興味をもって」あげてください。

食事時、「今どんなことやってるの?」とか、「さっきすごく良い曲吹いてたね!あの曲好きだなぁ~」とか。
たまには大袈裟に褒める!とか。笑
そんな程度で構わないのです。

つい口を出したくなるところを「グッ」とガマンしている私

私も2児の母、共働き家庭です。
こどもも親も、めちゃくちゃ忙しいのは身をもって知っています。
こども、親御さん、先生、3者がそれぞれの役割で見守っていくことが大事かと思います。

わが家の娘もフルートを5歳で始めて、4年となりました。
娘はフルートは好きだけど、練習は嫌いです。しかしこれから来る反抗期に私としゃべってくれなくなっても、多分フルートを吹いて発散するんだろうな・・・という気はしています。
フルートに限らず、そんな「自分の励ましアイテム」が増えてくれると良いなと思っています。

フルート指導を始めて20年を越えました。
これまで沢山のお子さんを指導してきましたが、プロになった子もいれば、それぞれが自分の道を見つけ立派に成長している姿を見て、きっとあの時の経験が役に立っていることと(勝手に!笑)思っています。

長くなってしまいましたが、どうぞ興味を持たれましたら、体験レッスンにお越しください!

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